毎日を心地よく過ごすために
聞こえ方・見え方を意識した日々の養生
「もう一回言って?と聞き返すことが増えた」
「運転していると、遠くが見えにくく感じる」
「細かい文字を読むのが、ちょっとおっくうになってきた」
年齢を重ねると、ふとした日常の中で「昔とは少し違うな」と感じることがあります。
聞こえ方や見え方も、そのひとつかもしれません。
こうした変化にはさまざまな要因がありますので、気になる状態が続いたり、急な変化を感じたりしたときには、年齢のせいと決めつけず、医療機関へ相談することも大切です。
そのうえで私たちが大切にしたいのが、毎日の小さな「養生」です。
養生というと、なんだか難しいことのように聞こえるかもしれません。けれど、
しっかり食べる。体を動かす。目を休ませる。よく眠る。そんな、ごく当たり前のことも立派な養生です。
今回は、聞こえ方や見え方をきっかけに、年齢を重ねてから大切にしたい食事と暮らしについて考えてみましょう。
年齢を重ねる時期に感じる変化
年齢を重ねる時期には、女性ではエストロゲン、男性ではテストステロンなど、体内のホルモン環境にも変化がみられます。この頃になるとだんだん
・以前より聞き返すことが増えた
・長時間、本や新聞を読むのがおっくうになった
・スマートフォンを見たあと、しばらく遠くを眺めたくなる
・細かな文字を見るとき、少し距離を取りたくなる
など、何気ない生活の中で以前との違いを感じることもあります。
ここで大切なのは、無理をして若い頃と同じように頑張ろうとしないこと。
そして、「もう年だから仕方ない」と、何でもかんでも、年齢のせいにしてしまわないことです。
今の自分に合わせて、食事や休息、体の動かし方を少しずつ整えていくこと。
漢方では昔から、毎日の暮らしを整えながら健やかに過ごすことを大切にしてきました。
特別なことを一度だけ頑張るより、今日できる小さなことを、こつこつ続けていく。
そんな考え方を、これからの暮らしにも取り入れてみませんか。

昔ながらの食卓には、知恵がいっぱい
■たんぱく質とアミノ酸
たんぱく質は、筋肉や臓器、皮膚など、私たちの体をつくる材料となる大切な栄養素です。魚、肉、卵、大豆製品など、いろいろな食品から取り入れることを心がけましょう。
ここで大切にしたいのが、「ひとつのものに偏らない」ということです。
昔ながらの日本の食卓を思い浮かべてみてください。ごはんがあり、お味噌汁があり、魚や豆腐があり、季節の野菜がある。派手さはありませんが、いろいろな食材を少しずつ組み合わせています。
蜂の子なども、地域によっては古くから食べ継がれてきた食材のひとつです。冷蔵庫も栄養成分表もなかった時代から、人は身近にある食材を上手に組み合わせながら暮らしてきました。
昔の人は栄養素の名前こそ知らなかったでしょうが、「これを食べておこう」「季節が変わったから、こんなものを食べよう」と、経験から食の知恵を積み重ねてきたのでしょうね。
■ビタミンB群
ビタミンB群は、豚肉、納豆、卵、玄米など、私たちになじみ深い食品にも含まれています。
なかでも納豆は、昔ながらの日本の食卓の代表選手。混ぜて、ごはんにのせれば一品できあがりですから、忙しい朝にもありがたい存在です。
現代では食品に含まれる栄養についてより詳しい研究が進み、納豆は、ビタミンK2を含むとわかり、カルシウムの吸収率が良くなるなど判明。
ずっと昔から食べ継がれてきたものの中に、今の私たちにも役立つ食の知恵が隠れている。
そう考えると、いつもの食卓も少しおもしろく見えてきませんか。
■亜鉛
亜鉛は、たんぱく質や核酸の代謝などに関わる必須ミネラルです。牡蠣や赤身肉、ナッツ類などに含まれています。
「体にいいから、これだけをたくさん食べよう」と考えるのではなく、季節のものや旬の食材を楽しみながら、いろいろな食品を組み合わせることを大切にしましょう。
■色のある野菜や果物も食卓へ
食事は、栄養成分だけを見て考えると少し難しくなってしまいます。そこでおすすめしたいのが、食卓の「色」を増やすこと。 緑、赤、黄色、紫。いろいろな色が並ぶだけでも、自然と使う食材の種類が増えていきますよ!
■ルテイン
ルテインは、緑黄色野菜などに含まれるカロテノイドの一種。黄色の栄養成分です。ほうれん草やブロッコリーなど、普段の食卓でもおなじみの野菜に含まれています。おひたしや胡麻和え、温野菜などにすれば、いつもの食事にも取り入れやすいですね。
■ベリー類(アントシアニン)
ブルーベリーなどに含まれるアントシアニンは、ポリフェノールの一種で、食品の色をつくる天然の色素成分として知られています。ブルーベリーだけでなく、紫色や赤色の食材を見つけたら、「今日は食卓にちょっと色を足してみようかな」と楽しんでみるのもよいでしょう。
■ビタミンA
ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持を助け、夜間の視力の維持を助ける栄養素です。にんじん、かぼちゃ、レバーなどに含まれています。
にんじんの赤、かぼちゃの黄色、ほうれん草の緑。昔ながらの食卓は、案外カラフルです。難しく栄養計算をしなくても、旬のものを、いろいろ、少しずつ。これも昔から続いてきた食の知恵ではないでしょうか。

毎日の暮らし方にも「小さな養生」を
食べることと同じくらい大切にしたいのが、毎日の過ごし方です。
■少し体を動かす
「運動しなくちゃ」と考えると、それだけで腰が重くなってしまうことがあります。でも、わざわざ運動着に着替えなくても大丈夫。
近所まで歩く。
買い物では少し遠い場所に車を停める。
テレビを見ながら肩や足をゆっくり動かす。
そんな「ついで運動」から始めてみてはいかがでしょうか。大切なのは、無理なく続けることです。
■ときどき、遠くを眺める
スマートフォンやパソコンを使っていると、気づけばずっと近くばかり見ていることがあります。そんなときは、窓の外へ目を向けてみましょう。
空を見る。
庭の木を見る。
遠くの建物を見る。
仕事の合間にほんの少し視線を変えるだけでも、気分転換になります。「一時間たったから休まなければ」と難しく考えず、お茶を飲むついでに外を見るくらいから始めてみましょう。
■眠ることも養生のひとつ
「何か健康にいいことをしなくちゃ」と思うと、つい何かを足すことばかり考えてしまいます。
けれど、休むことも大切な養生です。夜更かしが続いているなと思ったら、今日は少し早めに布団へ。朝起きたらカーテンを開け、日中はできる範囲で体を動かす。そんな一日のリズムも大切にしていきたいですね。

まとめ
今日できることを、ひとつずつ.
年齢を重ねることは、悪いことばかりではありません。若い頃には気づかなかった自分の体の変化に、少しずつ気づけるようになる時期でもあります。
「最近、ちょっと違うな」
そう感じたら、毎日の暮らしを見直す小さな合図なのかもしれません。
旬のものを食べる。
いろいろな食材を組み合わせる。
少し体を動かす。
目を休ませる。
そして、しっかり眠る。
全部を今日から始めなくても大丈夫です。
漢方の考え方には、毎日の暮らしを整えながら健やかに過ごす「養生」という知恵があります。
明日のために、今日を整える。
まずは今日できそうなことを、ひとつ。そんな小さな積み重ねを、これからの毎日に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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参考
https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php
https://www.izuminomori-clinic.jp/menopause/
https://kracie.co.jp/menotechlife/517/
https://www.magojibi.jp/nutrition/protein/
https://www.bee-lab.jp/megumi/hatinoko/nutrition.html
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/food/ye-027
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-zn-cu.html
https://himitsu.wakasa.jp/contents/lutein/
https://hfnet.nibn.go.jp/vitamin/detail171/
https://serai.jp/health/1230923
https://www.gankaikai.or.jp/health/42/index.html
https://theotol.soudan-e65.com/brainhealth/sleep/tips-sleep-time-well
