5月に入るとよく聞く「五月病」。
新年度や新しい環境の変化によるストレスが原因で、無気力や憂うつな気分が続く状態を指します。
一方で、近年注目されている「男性更年期」も、似たような症状を引き起こすことがあり、特に、40代以降の男性は、ホルモンバランスの変化により、五月病と重なるような体調不良を感じることがあります。
■五月病とは?

五月病とは、新年度に入った4月から5月にかけて環境の変化やストレスが原因で起こる精神的な不調のこと。
主な症状として、無気力感、憂うつな気分、集中力の低下、疲労感などが挙げられ、一時的に日常生活に影響を及ぼすこともあります。
■男性更年期とは?

「更年期」と聞くと女性特有のものと思われがちですが、実は男性にも更年期が存在します。
男性更年期(加齢男性性腺機能低下症、LOH症候群)は、加齢に伴うテストステロン(男性ホルモン)の減少が原因で起こる症状です。
疲労感や倦怠感、イライラしやすい、怒りっぽくなる、やる気が出ない、無気力、不眠、集中力や記憶力の低下、筋力の低下、性欲の減退などの不調が現れることがあります。
■更年期の症状と五月病の共通点

どちらも不調が起きる原因の一つとなるのが“自律神経の乱れ”。
自律神経は、交感神経と副交感神経のバランスを保ち、体のリズムを整える働きをしています。
しかし、ストレスやホルモンバランスの変化によって、このバランスが崩れると、不眠や倦怠感、気分の落ち込みなどの不調が現れます。
特に、環境の変化が大きい春先やホルモンが減少する中年期には、自律神経の働きが乱れやすく、心身の不調を引き起こしやすくなります。
■五月病と更年期、不調の共通点と違い
【共通点】やる気が出ない、無気力、疲れやすい、気分が落ち込みやすい、不眠など
五月病と男性更年期は、精神的な不調が中心であり、症状が似ているため見分けがつきにくいことがあります。
しかし、五月病は環境の変化によるストレスが原因で起こりやすく、一時的なものが多いのに対し、男性更年期はホルモンの変化が根本的な原因となるため、長期間にわたって影響を及ぼすことがあります。
【違い】
項目 | 五月病 | 男性更年期 |
原因 | 環境の変化、ストレス | 加齢によるホルモン低下 |
発症時期 | 新年度(特に4~5月) | 40代以降(個人差あり) |
持続期間 | 数週間程度 | 数カ月~数年 |
改善方法 | ストレス解消、環境適応 | ホルモン補充療法、生活習慣改善 |
■男性更年期と五月病の対策
*生活習慣の改善
【食生活を整える】
たんぱく質やビタミンD(サーモン、マグロ、サバ、卵、キノコ類(しいたけや舞茸など)、ミネラルを意識的に摂取しバランスの良い食事を心がけましょう。
特に、亜鉛(カキ、牛肉、鶏肉、豆類、ナッツ類、全粒穀物)やマグネシウム(緑葉野菜、ナッツ、アボカド、豆類)はテストステロンの分泌をサポートします。
【適度な運動】
有酸素運動や筋力トレーニングは、テストステロンの増加に効果的です。ウォーキングやストレッチを日常に取り入れましょう。
【良質な睡眠を確保】
睡眠不足はホルモンバランスを乱す原因となります。就寝前のスマホやカフェインを控え、リラックスできる環境を整えましょう。
*ストレス管理
【リラックスできる時間を持つ】
趣味の時間やマインドフルネス、深呼吸などを取り入れましょう。
【人と話す】
家族や友人、専門家と会話をすることで、気持ちが整理され、ストレスが軽減されます。
【適度に休息を取る】
仕事の合間に休憩を挟むことで、精神的な負担を軽減できます。
*医療機関の受診
男性更年期の場合、ホルモン補充療法(HRT)が有効なことがあります。症状が長引く場合は、必要に応じ医療機関を受診し専門家のアドバイスを受けましょう。
■まとめ■

男性更年期と五月病は、症状が似ているため混同されがちですが、それぞれの原因を理解し、適切な対策を取ることが大切です。
40代以降の男性は特に、日々の生活習慣を見直し、ストレス管理を意識することで、心身の健康を維持することができます。また、不調に気付きやすくなります。
更年期や五月病の不調を軽減し、より充実した毎日を過ごせるようにしましょう。
参考文献
大阪府医師会「五月病」
日本内分泌学会「男性更年期障害(加齢性腺機能低下症、LOH症候群)」
Medical Note「イライラや性欲減少―男性にも起こる更年期障害 治療法と生活習慣」
宇部市医師会「2024年5月 男性更年期障害」
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